2020年11月6日金曜日

Japan Chess Championship 2020 Round 3

連敗スタートを喫して迎えた2日目。ここを負けると選手権前に目標としていた4.0/7.0pが早くも絶望的になるので、何とか結果を出したいところです。

しかし、全日本の壁や関東の層の厚さ、自分の弱さを突き付けられる結果となりました。

Tokuni, S (JPN, 1800) - Furuya, M (JPN, 1959)
Japan Chess Championship 2020 (3)

1. g3 Nf6 2. Bg2 d5 3. Nf3 c6 4. c4 e6

5. O-O Nbd7 6. b3 e5!? 


Neo-Catalan に対して Semi-Slavの形からe6-e5と突かれました。eポーンを2手かけて動かすのは実戦心理的に指しにくいかと思いましたが、ナイトにプレッシャーをかけて十分ある手です。ここですでに実戦経験はなく、できるだけ自然に指そうと思っていました。
しかし……。

7. d4 e4 8. Ne5 Bd6


9. Bb2? [構想力のなさが露呈したillogicalな手です。黒はこのビショップを働かせないようにdポーンを固定させておけば十分です。代えて白は9.f4でナイトを支えるか、7手目に戻って7.cxd5や7.d3と指すのがよかったでしょう。] 

9...O-O 10. e3 Re8 11. Nxd7 Bxd7 12. h3 Be6!


これまで漫然と組んでおり、恥ずかしながらここで全てに気づいて愕然としました。黒の2枚のビショップが白キングを直射しています。さらにQd8-d7,h7-h5-h4やNf6-h5, g7-g5といった、キングサイドにプレッシャーをかける手があり、黒が大優勢です。
一方で白のポジションはいいところが全くありません。それどころか、僕は前述の攻めを全部食らってしまいました。

13. Qe2 Qd7 14. Kh2 h5 15. cxd5 cxd5 16. Ba3 Bc7

17. Nc3 h4 18. Qb5 Rad8 19. Qxd7 Rxd7 20. Ne2 Nh5

21. Rac1 g5 22. Rc2


クイーンを交換したことで攻撃力を削り、少し持ち直したかと思っていました。
22...Rc8?のような手では、Rfc1-Bd6!のような構想が受からなくなります。

22...Bb8! [この柔らかい手は全く見えていませんでした。]

23. f4?! [暴発です。cファイルから攻め込むのは無理だと考え(23.Rfc1 Rdd8)、ポーンを捨ててでもf1ルークを縦に使うのがいいとは思っていましたが、Rfc1からBa3-b4-e1と土下座するのがまだよかったようです。]

ここからは白にチャンスは全くありません。古谷さんは隙がなく強かったです。

23...exf3 24. Bxf3 Nxg3

25. Nxg3 Bxg3+ 26. Kg2 Rdd8 27. Rc5 a6 28. Ra5 Bc7

29. Rc5 Bd6 30. Ra5 Bxa3 31. Rxa3 Rc8 32. Ra5 Red8

33. Rf2 Rc3 34. Re2 Kf8 35. Rc5 Rc8 36. Rxc8+ Rxc8

37. e4 dxe4 38. Rxe4 Bd5 39. Re2 Bxf3+ 40. Kxf3 Rc3+

41. Kg4 f6 42. Re6 Kf7 43. Rb6 Kg6 44. d5 Rg3#


メイトまで指しましたが、黒が終始優勢を維持する指し回しが光りました。このラウンドの結果、僕は3Rを終えて0-3、34人中34位です。オープニングからロジカルに完封されたこともあり、さすがに落ち込みました。

[Round 4]

対局相手になりそうな方がここでbyeを宣言し、強制byeで1.0ポイントを得ました。空いた時間をどうしようか迷いましたが、上京したら行ってみたいと思っていた新宿御苑を訪れてみることにしました。


「言の葉の庭」聖地のベンチに座っていると、体の中にエネルギーが沸いてきました。
このbyeでの過ごし方で気持ちが切り替わったと思います。

閉園後は会場に戻って上位ボードのエンドゲームを観戦し、その後にチェスyoutuberの北陸さんとオフ会。深夜はチェスの勉強をせずに「言の葉の庭」を観ていました。

(実は「言の葉の庭」に出てくる雪野が作中で飲んでいるように僕も金麦を飲みながら映画を観賞し、お酒の弱い僕は350ml飲んだだけで、もどしてしまったり二日酔いしたりしたのですが)翌日は精神的に終始リラックスでき、2連勝することができました。予備のメガネをかけてゲン担ぎをしたのもよかったかもしれません。

3日目6Rの自戦記は2つ前の記事をご覧ください。


3.0/6.0pで4日目の最終7Rを迎えます。

Japan Chess Championship 2020 Round 7

3.0/6.0pで最終日を迎えました。大会中の真鍋さんの棋譜を見ると、1.d4を指す緩急自在のプレイヤーという印象を受けました。目標の4.0pを目指し、激しいオープニングを選択します。 Manabe, H (JPN, 2039) - Tokuni, S (JPN, 1800) J...