2020年11月4日水曜日

Japan Chess Championship 2020 Round 1

初日1局目のゲームを振り返ります。相手は強豪の東野さんで、何度かオンラインでも当たり、負かされています。調べてみると東野さんは東大将棋部のOB。東大将棋といえば歴史的に「力戦」が有名で、チェスにおいても腕力勝負になりやすいフィアンケット形になると予想していました。

なお、事前に僕のことは「将棋の人でしょ。知ってるよ」と言っていたそうです。完全に無名だと思っていたので、いろんなプレイヤーにちらほら知られていたのは意外でした。将棋出身者、予想以上に多いのですね。

Higashino, T (JPN, 2070) - Tokuni, S (JPN, 1800)
Japan Chess Championship 2020 (1)

1. Nf3 g6 2. g3 Bg7 3. d4 Nf6 4. Bg2 O-O 5. c4 d5 6. O-O c6 7. Qb3 Qb6 8. Nc3


ここまでは予想通りの展開です。普段であれば6...dxc4と指していたところですが、前日に読み直したGrunfeld本にこのストラクチャーが書かれていたので、飛び込んでみました。しかし、研究不足が祟り、早くもあっけなく崩れてしまいます。

8...dxc4? [局後、強いプレイヤーに棋譜添削を依頼し、この手を一瞥してセンターを弱体化させる悪手だと言われました。対局中は手順にビショップが展開できて指しやすさを感じていたのですが、解析にかけるとここで白に傾いていました。ここでは8...Rd8や8...Bf5がセンターをキープして自然な展開です。] 

9. Qxc4 Be6 10. Qa4 Rd8 11. e4 Na6 12. Qc2 Bc4 13. Rd1 Nb4 14. Qb1 c5 15. d5 e6 16. a3 Na6 17. Bg5


とは言いながらも、直感的にここはまだ食いついていると思っていました。しかしながら、直感が正しくても正着が見つけ出せないのはよくあることですね。

17...h6?! [前述の強豪に、この手はないと断言されました。実質ここでこのチェスは負けたようなものです。 帰って調べてみると、17...Bb3のほうがもう少し粘る変化がありました。g5ビショップとd8ルークの交換になり、エクスチェンジ・ダウンはするのですが、代償にdファイルのパスポーンを持ち粘っていきます。白はb1のクイーンとa1のルークをほぐす方法に少し悩みそうです。]

18. Bxf6 Bxf6 19. e5 Bg7 20. d6 Nb8? 21. Qe4 Ba6 22. b4!

黒は抑え込まれたというか、自分から退却していき、全くセンスがありません。
右辺のマイナーピースを活用する手のほうが、白にとって明らかに脅威だったはずです。(Bc4-b3, c5-c4, Na6-c5など)

無駄に時間も消費しており、いくばくもなく白に完封されるのを甘受するばかりです。
22...Qc6 23. Qxc6 bxc6 24. bxc5 Nd7 25. Rac1 Nxc5 26. Na2 Be2 27. Re1 Bxf3 28. Rxc5 Bd5 29. Nb4 Rac8 30. f4 f6 31. Nxc6 fxe5 32. Ne7+ 1-0


不本意ではありますが、地方にいてオンラインで時間の短いゲームばかりやっている以上、構想力や粘りが欠如しており、負けは当然の結果だったようにも思います。
この次の野口戦では明らかな勝勢を築きましたが、1Rの疲労がたまったことや、ミドルゲームでのポジションの理解力が乏しく、とんでもない大逆転負けを喫してしまいました。

連敗スタートで失意のまま2日目を迎えます。

Japan Chess Championship 2020 Round 7

3.0/6.0pで最終日を迎えました。大会中の真鍋さんの棋譜を見ると、1.d4を指す緩急自在のプレイヤーという印象を受けました。目標の4.0pを目指し、激しいオープニングを選択します。 Manabe, H (JPN, 2039) - Tokuni, S (JPN, 1800) J...